"初めて"は敢えてひらがなにする作戦。

少し前に何だか散財したい気分になって、毎度お世話になってるスコーピオさん実店舗にて、テレビューのパワーメイトと(憎き)ZWOのオフアキを買いました。

パワーメイト:
月面拡大、惑星撮影のクオリテーUP
オフアキ:ライフワークの銀河強拡大時のオートガイド精度UP
の2正面作戦。月惑星モードでも、銀河モードどちらでも散財の恩恵を受けられる作戦。

このうち、パワーメイトは多分「使えばうまくいく」ことがなんとなく想像され、
オフアキのほうが調整が難航する予感がしたので、こちらの動作確認を優先しました。

まずは説明書、先駆者の方々のブログなどを参考にセットアップしていきます。
特に参考になったのが以下サイト様(勝手に引用)

オフアキシス(off-axis)ガイドへの入門 - 天文はかせ幕下 (hatenadiary.jp)

こんなもんかや?という感じで、まずは適当に取り付け。

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遠近法効果も多分にありますが、メインカメラ側がこんな小さいチップでオフアキをやる人はいるのでしょうか・・・
なにはともあれ付けれたのですが、上の写真から明らかなように、オフアキのカメラ側に光を導くプリズムがメインカメラのチップに対して正対してない!

オフアキ側をねじ込み切ったら、こんな中途半端な位置に収まってしまったのです。
120度毎に見える固定パーツの位置を変えることで大胆に角度を変えられるのですが、
自分の構成では丁度良い位置に動かすとオフアキとフィルターホイールが干渉してダメでした。



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 ↑この通り、オフアキのすぐ後ろにはフィルターホイールが控えてます。

なんじゃこりゃ、融通効かんしょーもないやっちゃのぉ、と思ったのですが、
TLの皆様からのご助言により、シムリングなる概念でそれを調整できることを知りました。感謝感謝。

早速、これは3Dプリンターの得意とするところやぁ!ということで量産

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↑薄いのはシムリングのつもり、分厚いのはスペーサーです。

これをねじ込むところに挟み込むと、こやつが邪魔してねじ込みきれないけど、なにもないときよりも違う角度でねじ込みが止まるので、結果的にねじ込み角度を調整できるという素晴らしい仕組み。
こんな単純なもので劇的な効果が得られて、大げさですがHWの世界は凄いなぁと。

↓おかげで角度が調整できました。
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これでも短辺側に沿わせているのが微妙で、本当は長辺側に沿わせることで少しでもC8の像の中心部に近づけたいです。
その後、シムリング調整を更にかまして、長辺側にオフアキプリズムを沿わせることができました。写真は撮り忘れた(おぃ)

理屈上、このプリズム周辺を起点として、
 ・メインカメラ側に向かう光路
 ・ガイドカメラ側に向かう、プリズムで折り曲げられる光路
の長さが一致してないと、ピント調整のときにどちらも同時にピント合わせるのが困難というのは理解できます。

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メイン側のピントはC8本体で調整するので、そうなるとオフアキ側はパーツを前後させて無理やり光路長を合わせることになります。
これが手作業ではシビア! なんかヘリコイド方式のなにかが合ったほうが便利なことは理解できますが、ケチなのでとりま手作業でお茶を濁しました。

↓微妙なスペース
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さて、次は実際に撮影して検証したいところですが、
最近は全く晴れないので、まずは昼間の地上景色でどんなもんか試していきます。

ででん!

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え!? めっちゃケラレとる・・・(絶句)

下記忘れてましたが、オフアキガイドカメラにはASI482MCという1/1.2インチの大きめCMOSカメラを使いました。なんでかしらんけど、このカメラは稼働率が低かったのでちょうど良かったのですよねぇ~

ちなみにメイン側(1/1.8インチ、Neptune-M)

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こう見ると、メインカメラ側よりもガイドカメラのほうが広いエリアを捉えられる=よく聞く「オフアキ側でガイド用の星が見つからない問題」は何とかなりそうなのですが、それを補って余りあるぐらいケラレがでかすぎる!

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どうやら、オフアキのプリズム自体の大きさが控えめなので、オフアキ側のカメラには1インチサイズのセンサはダメっぽいですね。

↓その後、オフアキの位置を調整しても解決してない図
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その後、曇り空のスキマから月が見えたので、ピント確認の意味合いで月を写して見ました。

メイン

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オフアキ

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 ↑
 ま、まぁピントは大丈夫そうなものの、こんな光学的に悪そうな像で大丈夫かいな??
と思ったものの、オフアキ側のASI482MCをぞんざいに扱うバイアスが何故か掛かっていたので、ノーフィルター状態でした。

しかし、こやつごときに貴重な31.7mm径のIRカットフィルターを使うのも癪なので、
RGBフィルタ遊びをやってたときにAliで買ったIRカットガラスを貼り付けることにしました。
FullSizeRender
 ↑貴様みたいなしょーもないもんは、それで満足しとけぃ!!

さすがIRカット効果、腐っても鯛というのか、あのASI482MCでもマトモな像が得られました(粘着気質)

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※お遊びでSharpcapでフラット補正
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 まぁ、ケラレが解消するわけはないので、こうなりますよね。
 しかもPHD2ではフラット補正できないので、本当にただの遊びです。


それから数日後、もうちょっと雲が少ない日があったので、再び天体を写してみました。
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IRカット効果でオフアキ側の月もマトモな写りになってきました。

むりやし薄雲越しの星をオフアキカメラで撮影、PHD2でガイドさせてみるテスト

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Sharpcapのメインカメラ側は雲しか写ってないのですが、左上の方に恒星が辛うじて写ってます。
これは、上のPHD2側をオフアキにしてガイドさせ、メインカメラ側を1分露光して得られた絵です。

これを見る限り、メイン側の恒星が流れずに写ってるのでオフアキは機能してそうです!!

最低限の検証としてはコレでOKですが、その後晴れ間が見えてきたので欲を出して
メインカメラ側に銀河を写してどうなるかやってみました。

ででん!
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 M31:1分露光×3枚のライブスタック。

↓中央部拡大
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 当社比では、これは点像です!

その後さらに欲を出し、近くにあった適当な銀河(NGC891)をターゲットにして3時間ほどN.I.N.Aで放置撮影してみました。
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 ダークもフラットもサボってるので作品としての美しさを云々する資格はないのですが、まぁ流れずによく写ったのではと思ってます。

しかしずーっと見てると人間欲が出てくるのか、等倍で見たくなってくるのです。
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うーむ、星像が右斜め上方向に流れてますね・・・



日が変わるまでの100分ぶんぐらいを動画にしてみたのですが、そのまま右斜上に流れていくことはなくて、いちおう同じ位置をキープし続けてますね。
これはどういう意味なのでしょう?? 

1分露光でじわーっと右斜め上に流れるのだとしたら、その集合体である100分合計すると”流れ”が積算されてとんでもなくずれていきそうですが、そうはなってないです。

オフアキ側のピントが甘い、または画素サイズが大きくてメイン側をガイドするための「敏感さ」が足りない? 単にメイン側のピンボケ? うーん、せっかくのオフアキなので完璧な点像を求めたくなってきてしまいました。

まぁ遊びがいが出来たとポジティブに捉えておきたいと思います。

死蔵中の死蔵品であるASI482MCをガイド用に転用できそうな望みが出てきた点もプラス。

次晴れたら、この斜め流れ像を消すために試行錯誤するんだ・・・(フラグ)