ASI120MM-miniの調子悪さに端を発した浮気調査(何か他に良いモノクロカメラ無いかな)の一環として、ソニー製CMOSカメラのIMX***がどれが何やら訳わからないので自分なりに整理してまとめようとしています。
※以下、「感度」はソニーのデータシート的なものに載っている値を採用しています。だいたいF8、1/30露光時の出力電圧で規定しているようです。(カラーカメラのときはF5.6にするなど、値を大きくするための努力?が成されているようです。あと、ゲインはどうなっているのだろうか。。)

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<気づき>
  • IMX178、183は感度低いので対象外。(そもそも画素数が多くて自分のPCでは処理重い。)
  • IMX174はセンサ大きいけど世代が古く、感度や読み出しノイズが多いので厳しい。
  • IMX294 全てが素晴らしい! でもお高いんでしょう?
  • IMX385 感度高いけどモノクロが無い。
  • IMX290 消去法でコレがASI120MM-miniの次のモノクロCMOSカメラとしては良さそう。感度高め、画素数2Mに抑えられている。チップサイズは小さいままだがやむなし。
 ★肝心なこと:感度情報はソニーセンサ同士の比較としては使えそう。(物によってF8だったりF5.6だったりする点だけ注意。) ただし、今のメインモノクロカメラであるAR0130の感度がわからないので、ASI120MM-mini → ASI290MM? またはSVBONY先生の新作? に乗り換えて感度向上のメリットあるか怪しい??

よくよく見たら、ZWOの公式サイトでもセンサ同士の性能を横並びで比較できるサイトがあるようです。
ZWO ASI | Cameras Comparison (astronomy-imaging-camera.com)
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 ↑ 
 これを見る限り、ASI120MM-mini → ASI290MM で悪くなっているのはピクセルサイズだけで、読み出しノイズや量子効率は良くなっているので、これでデグレすることは無いと思いたいです。

しかし、IMX***の命名規則全くわからん・・・
***の百の位が世代毎に大きくなっていくのは何となくわかる。
十の位、一の位の規則がさっぱり・・・(IMX290とIMX294に共通する特徴全くわからず。よって十の位は意味無さそう)

★この作業の過程で、IMX482なるセンサの存在に気が付きました。
IMX482LQJ_LQJ1_Flyer.pdf (sony-semicon.co.jp)
・1/1.2"
・1920*1080
・ピクセルサイズ5.8[μm](2.9[μm]の強制ビニング版)
・低感度指標のSNR1sが、なんと0.07[lux]!で、IMX294の0.14[lux]の倍?の感度!素晴らしい!
・画素数も貧弱PCで処理できる値で、センササイズもそこそこ大きいので画角拡大効果も得られる。
 これのモノクロがあれば最強なのですが。。
 ↓
 妄想で”ASI482MM”でググってみたのですが、どうやら世の中に存在しない単語のようです。


上記図を作成する時に大いに参考にしたソニーHP情報

製品|イメージセンサー:インダストリアル|製品情報|ソニーセミコンダクタソリューションズグループ (sony-semicon.co.jp)
↑どうやら産業用はグローバルシャッター主流の模様

製品|イメージセンサー:セキュリティ|製品情報|ソニーセミコンダクタソリューションズグループ (sony-semicon.co.jp)

お馴染み294はセキュリティ用途

製品|イメージセンサー:オートモーティブ|製品情報|ソニーセミコンダクタソリューションズグループ (sony-semicon.co.jp)

224、290は車載向け

以前の検討(※)ではIMX174が良いと思ったが、どうやら世代が古そうです。
ASI120MM miniの調子が悪い : ベランダ天体観測の記録 (livedoor.blog)

IMX174は”Pregius”の第1世代で、第2世代に比べてダークノイズが多い!
Image Sensors World: Sony Sensors Compared (image-sensors-world.blogspot.com) 


Pregius :グローバルシャッターCMOS

太陽、月はともかく、その他の天体用途でグローバルシャッターは要らんかな。。値段が同等なら別に良いけど。

※そうと気づかずにPregiusを深堀り調査した結果↓

Pregius世代解説記事
Sony Pregius sensor "Generations" - What do those differences mean for machine vision? (1stvision.com)

■Pregius第1世代:IMX174、IMX249 (ピクセルサイズ5.86[μm])
 ピクセルサイズ=5.86[μm]というバカデカさによる飽和容量大きさが特徴。(だから太陽撮影用とかで売り出されているのか。。) IMX174よりもIMX249のほうが4割!安いらしい。 ASI249MMというの、くーださい。(294はあるけど、249なるものは出てこない)

 →飽和容量は30[Ke-]、読み出しノイズは~7[e-] 

■Pregius第2世代:IMX250~287、IMX342~392(ピクセルサイズ3.45、6.90[μm])
 →飽和容量は11[Ke-]、読み出しノイズは~2.5[e-] 

■Pregius第3世代:IMX420~426(ピクセルサイズ4.5[μm]、9.0[μm])
 →飽和容量は20[Ke-]、読み出しノイズは~2.7[e-] 

※オマケ178で電視観望している猛者の図↓


↑すごくよい!と思ったら、自作ノイズフィルターをかました猛者で、フィルタ有無比較はコチラ↓


■まとめ
 今流通している天体用CMOSカメラとしては、ASI290MMがソニー製モノクロカメラ入門としては良さそう。感度という観点では意外と選択肢少ない。(IMX482は唐突に感度良いのが出てきた感あり)
 ※モノクロカメラを使うとしてもフィルターで帯域を絞って使う際の感度低下は考慮する必要あり。ただし、天体用途なので光害をカットできる効果もある。じゃあ素のセンサの感度にそこまで拘る必要ある? うーん、まとまらない。